カジノを誘致するメリットとデメリット

1600年代にフランスのルイ15世の頃に造られた賭博場がきっかけで、カジノの歴史が始まりました。
その後賭博の抑制や緩和を繰り返しながら、フランスでは1907年に合法化されました。
イタリアやドイツでも1600年代から1700年代にかけて賭博場が設立され、アメリカでは1931年にネバダ州で合法化され1940年代にラスベガスでカジノが誕生したのです。
その後も世界各国で合法化されて賭博場が設けられていきました。
なかには家族連れや観光客も楽しめるテーマパークのような賭博場も設けられるようになり、賭博とエンターテインメントの両方から収益を得る国も出てきました。
日本でも同じようにカジノを含むテーマパークのような施設「IR」の整備推進法案が2016年に成立しましたが、計画はそこで止まってしまっていて何も進んでいないという現実があります。
国内に統合型リゾートを設立するのは国内で最大3か所と決められ、大阪府や和歌山県、長崎県が名乗り出ています。
IRの施設が設立すれば、海外からの観光客が増えて国内でたくさんのお金を使ってもらうことができるので経済が潤うというメリットがあります。
実際に2016年から2020年にかけて海外からの観光客数が2000万人に達しましたが、そのあとはIRができることを見込んでその倍の4000万人が目標とされていました。
ところが新型コロナ感染もあり海外からの観光客は2020年以降、ほとんどない日が続いているという現実があり、IRの計画も進んでいません。
現実的には2022年3月時点でもまだRはできていなくて海外からの観光客もほとんどいませんが、もしIRが誕生して4000萬人の観光客が訪れればとても高い経済効果があると同時に、もう一つ大きなメリットがあります。
それは雇用者が増えるということです。
例えばある都市にIRが設立されたとします。
ホテルや飲食店、映画館などカジノ以外の施設もたくさん造られるので、海外の人だけだなく国内の家族連れなども訪れて大規模な観光地となるのです。
すると必要になるのは人手です。
カジノの施設だけでもゲーム機のメンテナンスをする人や案内をする人、管内の掃除をする人などスタッフがたくさん必要になるうえ、付随する飲食店や他の店にもたくさんのスタッフが必要です。
これらの従業員はIRのある都市の近辺から募集をすることになるので、地域内の雇用が促進されるということです。
それにIRができることにより、インフラも整備されます。
いくら良い施設が完成してもIRに行くまでに空港から何回も電車を乗り継いだり、最寄駅から歩いて30分もかかるような不便なところならせっかくできても観光客は来てくれません。
そのため空港から1本で行ける電車や直行バスが作られたり、すぐ目の前に駅があるように整備されたりするので、近辺の交通事情も変わってきて交通の便がよりよくなり地域が活性化されるというメリットもあるのです。
さらにもう一つメリットがあり、それはIRができた地域に税収が増えるということです。
IRの運営をする事業者に対する税金や、入場者にかかる税金など多額な税収が見込まれます。
実際に他の国でもギャンブルに対する課税を含め多額な税収があるといわれているので、日本でも同じように税収が増加することが期待されます。
これらのように、IRを誘致する自治体では「観光客による経済効果」と「雇用促進」、「インフラの整備による地域の活性化」と「税収の増加」が大きなメリットになりますが、反面デメリットもあります。
まず一つ目は、ギャンブル依存症の問題です。
ギャンブルにはアルコールや薬物と同じようにやめられなくなるという特徴を持ちます。
各国でギャンブル依存症を防ぐために自国の人の入場を制限していて日本も制限が設けられる予定ですが、日本人でも我慢ができなくなる人や制限のない海外の人たちがギャンブル依存症になって借金がかさみ、自己破産や自殺にまで追い込まれることがないとは限らないので十分警戒が必要です。
2つ目のデメリットは、IRを誘致する際に汚職事件が起こる可能性があることです。
贈賄や収賄で有利に出店をしたり不正に採用をするなどで、大金を出して特別待遇をするようなことになれば公平で公正な運営も危ぶまれます。
3つ目は周辺環境が荒れてくるという問題で、浮浪者やマフィアなどが集まってくることもあり得るということです。
マナーや態度の悪い人が増えると、ゴミが散乱したり子どもたちに不安を仰ぐような環境になる可能性があるのです。
4つ目はマネーロンダリングで、盗みや麻薬などで不正に稼いだお金をあたかも稼いで得たお金のようにきれいにするというものです。
犯罪で得たお金をカジノで使って、資金の出所をわからなくすることがマネーロンダリングですが、その温床となる可能性も否めないのです。
IRを誘致することは高い経済効果や地域の活性化などメリットは大きいのですが、その分ギャンブル依存症や不正などの不安もあり、法案が成立したとはいえなかなかIRの計画が進まない原因になっています。